はじめに
我が家の長男は4歳頃から公文を始め、国語・算数・英語の3教科の勉強を頑張り、一定の期間の間に公文の教材進度が3学年以上先まで進でいる子に送られる表彰(トロフィーもらえます)を受けるようになりました。公文の「未来フォーラム」にも2年連続で招待され、本人も多くの刺激を受ける事ができ、継続して努力する事の大切さを今も感じながら勉強しています。
実は長男、努力が継続できる子だった事や、幼児教育や小学校受験にも興味があったのでいわゆる幼児教育塾(小学校受験で合格させる勉強をする塾)に通わせてみた事があるのです。
塾に通ったのは約半年間くらい。都内の塾ですが私の住んでいる地域には幼児教育塾は無く、電車と徒歩で45分くらいの結構遠い場所でした。次男がまだ妻のお腹にいる頃で、妊娠22週で切迫早産の危険になってしまって動けなくなった事が原因で通わせるのが難しくなったので塾をやめる事になりました。その後は市販の教材を買い自宅で勉強させ、難関国立小学校受験に向け頑張りましたが、結果受かる事はなく、近所の区立小学校に進学しています。通わせてみた結果思った事をまとめていきます。
幼児教育って何?どんな人がやらせているの?
幼児教育って何?
我が家が幼児教育に興味を持ったのは
3歳までに脳の80%が完成する
といった記事を読んだ事がきっかけでした。
その中で、脳の成長は3歳までに80%、6歳までに90%、残り10%は20歳までにゆっくりと成長していくとされていました。もし本当に3歳までに脳の80%の成長が完成するのであれば、とにかく小さい時に少しでも早く教育を始めなくては!という事で始まったのが幼児教育です。
教育と言われると勉強とか学力を伸ばすような事ばかりを想像してしまいがちですが、幼児教育には要素がいくつかあります。
・お話の内容を理解する
・絵や空間を把握する
・色鉛筆や画用紙を使って物を作る
・基礎的な運動をさせる
・指示に従って行動する
・コミニュケーションをとる
こんな感じの内容を、独自の教育方針と今までの経験から幼児教育として教えてくれます。
ちなみに、脳は良質な刺激を受ける事で「シナプス」という脳の伝達細胞が増える事により発達するとされていて、そのシナプスが集中的に作られる時期の事を「臨界期(感受性期)」と呼ばれています。
3歳までに80%の成長をするというのは、この臨界期が大きく影響しているもので3歳までの脳の発達速度が圧倒的に早いと言う事をさしています。逆にこの大事な時期をすぎてしまうと脳の成長は緩やかになってしまうため、3歳までに作られた脳をベースとして残りの人生を歩むことになると言うことです。
シナプスについては下記記事で詳しく書いていますのでご覧ください。
どんな人が幼児教育をやらせているの?
幼児教育は小学校受験と直結している側面があります。
小学校受験では
・学ぶことに前向きに取り組めているか
・お友達や知らない子ともコミュニケーションがとれ、協調性があるか
・我慢強いか
・子供らしい創造性があるか
といった項目をテストしていくのですが
それが幼児教育とほぼ同じ考え方のためか、幼児教育=小学校受験という概念が強くあるようです。
幼児教育=小学校受験という観点から小学校受験をする人が幼児教育をやらせています。
我が家が通った幼児教育塾に通っている人を見ると、医者や弁護士、経営者など高収入かつ高学歴の方ばかり。
どちらかというと小学校は慶応幼稚舎など有名私立大学付属小学校狙いの人が多かったように思います。そもそも小学校受験をさせる人のほとんどが、自分も有名私立大学出身者で同じように小学校受験し有名私立大学にエスカレーター式に上がってきた人のようです。
自分が通った道だから同じように子供にも小学校受験をさせるんですね。
そもそも幼児教育っていつから(何歳から)始めるの?
通っている子のほとんどが3歳くらい(幼稚園に入ったと同時くらい)から始めていました。
幼稚園に入るタイミングから、子供の教育の事を考え始め広告が気になるようになり、我が家のように「臨界期(感受性期)」の記事を読んで幼児教育を検討するきっかけになっているのかもしれません。
結果的に、先ほどの「臨界期(感受性期)」でいうと、適切な時期とされるタイミング(それでも少し遅いのかも)で始める方が多いようです。
我が家は?というと、長男が3歳くらいは小学校受験なんて考えてもいなかったので、幼児教育なんて検討もしていませんでした。
妻が公文に小学校の時に通っていてよかったという経験からマンションのすぐ近くの公文教室に、子供の教育のため4歳から通わせました。それがきっかけで教育や小学校受験(都内では中学校受験するのは当たり前で小学校受験も珍しくないんですよね)に興味が湧き、受験まであと1年という珍しいタイミングで入塾しました。
塾側も生徒の合格率に関わるので事前に体験入学(もちろん有料です)を受けさせられ、その体験入学が入塾テストで無事通過したため入塾する事となりました。
我が家の長男が幼児教育を始めたのは、保育園年中さんの冬(5歳5ヶ月の時)からなのでかなり遅い方という事になりますね。
幼児教育塾ってどんな事するの?月謝はいくら?
幼児教育ってお受験する子が通うものという認識が強く、機械的に子供を教育するようなイメージがあったり、実際に通わせていない人からすると月謝もどれくらいするのかわからないと思うので我が家が通った幼児教育塾の経験をまとめてみます。
幼児教育塾ってどんな事するの?
幼児教育塾でやった事は
お話の記憶
数を数える(一対一対応)
簡単なたし算/引き算の概念を使った算数
仲間を見つける/仲間ハズレを見つける
絵の間違い探し
当てはまるパズルを見つける
図形や絵を縦横/90℃や180℃に反転させた時の形を見つける
用意された材料を使って作る
絵を描く
コミニュケーション能力
道徳
協調性
指示通りできるかどうか
前回りや熊歩き
跳び箱
ボールやフリスビー投げ
①〜④を学んでいくことになります。
また、①×③や②×③、③×④など応用編もありました。
例えば、②図画工作×③行動観察の場合は
といった応用講座ですね。
まずは、先生が説明している時に「集中して聞く力」を試され、それを「指示通り行動する力」を試されることになります。大人からすれば大したことではないのですが、子供にとっては集中して聞くのが難しい子もいるので指示通り作ることすらできない子もいます。
我が家の長男は、途中から入塾し他の子よりも遅れをとってはいました。ただ、公文をやっていたので慣れるまで大変でしたが①のペーパーはすんなり入れました。特に、お話の記憶は「国語」で、数を数えたり簡単なたし算引き算は「算数」で勉強しているのでよくできていました。逆に、図形や絵を縦横/90℃や180℃に反転させた時の形を見つける等の問題はやった事もなく親でも難しいと思うくらいのものがあったのを記憶しています。
しかも制限時間内にどれだけ解けるか?みたいな時間的な要素があるので子供はとても大変だったと思います。
幼児教育塾って月謝はいくらくらいするの?
我が家が通っていた塾は、基本の講座に加えて、難関国立小学校、難関私立小学校といった受けたい小学校によって特別講座があり、それ以外にも夏季講座や集中講座も用意されていました。
月謝は?というと
月謝(6ヶ月):51,500円(309,000円)
特別講座(6ヶ月):313,000円
合計:672,000円
こんな感じです。
我が家は途中で辞めてしまいましたが、夏季講座が20万くらいだったので1年間通わせると約150万が最低かかる計算ですね。しかも、慶応幼稚舎とか難関私立小学校を受験する場合は集中講座とかもあってそれも受けるならさらにお金が必要ですね。
まとめ
幼児教育の塾はお金は高かったと感じますが、公文で勉強を進めていた事で気づけていなかった事や、普通に生活していても経験できない事や教えてもらえない事も多かったです。
例えば、数を数えるという所だと、当時公文の算数でたし算、引き算、九九、基本的な掛け算・割り算くらいまで進んでいて計算はできるようになっていたと思いますが、数の概念の理解が実はまだ十分ではなかった事がわかりました。
計算ではできても数が把握できていないため、5+3=8とすぐ答えが出せるのに、「飴が5個入った袋と飴が3個入った袋をひとつにしたらいくつになるか?その数だけ○を書きなさい。」という問題はすぐに答え出せずに一個づつ数えて答えを出していました。
これは、いわゆる「一対一対応」の理解が十分ではないという事で、幼児教育塾で早く気がつく事ができて良かった点です。その後、繰り返し「一対一対応」の問題をたくさんやって数に対する理解が深まったと思います。
また、図画工作では、絵を描くの所は先生がしっかり基礎から教えてくれてそれまでお世辞にも上手いとは言えない絵を書いていましたが教わった通りに絵を描く練習をした事で正しい絵を描けるようになりました。これは上手いという事ではなく、例えばしっかり胴体から腕があり手があるように描くとか、足は腰の部分から出ているとか、目は白目と黒目があるとか、素人では絵が上手い人でも中々理屈として教えられないんじゃないかなというコツを教えてもらう事ができました。
どれも家でやろうと言ってもできるようなものではなく、できるのは①学力の基礎(ペーパー問題)だけです。しかも子供を教えるプロがコツや技術を伝授してくれるので身につくのが早かったと思います。
これらを踏まえると難関国立小学校には受からなかったものの、お金をかけた分子供の能力開発にはつながり成長した、通わせて良かったと思っています。幼児教育塾に通った経験はたった半年ですが、この経験が今後の長男のポテンシャルを高める事につながればいいなと思っています。