テレワーク時の電話問題どうしてる?社外からの電話取次ぎ問題を解決した方法

テレワーク時の電話問題どうしてる?社外からの電話取次ぎ問題を解決した方法

テレワークで社外からの電話をどうやって受信するか?

全社テレワークを導入するにあたり、問題となるのが「会社の固定電話をどうすか?」だと思います。「電話番のために一部社員が出社する」または「クラウド秘書サービスを利用して電話代行を行なってもらう」などが考えられますが、それらの方法は継続的なテレワークライフを考えると不便な事柄になりかねません。

テレワークとは?

テレワークとは、バーチャル勤労形態の一種で、パソコンやインターネットを利用して時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態のことです。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語です。

テレワークで働くことで、仕事満足度の増加、離職率の低下、ストレスや欠勤の減少、生産性の向上、オフィス維持費や通勤手当をはじめとする事業コストの削減、ワークライフ・バランスの実現といった点からも様々な効果が期待されるようになっています。今や世界中でテレワークが強力に促進され、日本も例外ではなくっています。

テレワークで発生する社外からの電話取次ぎ問題

私の勤める会社では2018年のある日、社長が会議で「全員テレワークだ!」と決定を通達。2ヶ月後のテレワーク制度の導入に向けて動き出しました。テレワークを導入するにあたり、問題となるであろうことを検討した時に上がったのが、社外からの電話取次ぎ問題です。各社員へ携帯電話を配布する方法ではコストがかかりますし、管理も大変です。別の方法で社外からの電話取次ぎ問題を解決るつ良い方法はないかと検討を始めました。

その時に見つけたのがクラウドPBXです。

目次

クラウドPBXとは?

クラウドPBXとは、通常社内に置いている主装置とも呼ばれるPBX(Private Branch eXchange:構内交換機)をクラウド化し、インターネット上で通話・通信、を行うことができるサービスです。設定もWebブラウザやアプリケーション上で簡単に行うことができます。スマートフォンに専用にアプリをダウンロードしてクラウドPBXと組み合わせて使うことで、会社の代表番号にかかってきた電話をスマートフォンアプリで受けられるようになります。クラウドPBXと社員の個人スマートフォンを利用すれば、電話機や会社貸与のスマートフォンを社員の人数分購入して配布する必要はありません。受けた電話はほかの社員に転送もできるので、使い勝手はオフィスにいるときと変わりません。

通常、会社用の固定電話を導入するには高額なPBX機器を用意して社内に置いておく必要があります。しかし、クラウドPBXはその機器を必要としないのも特長です。

クライドPBXを提供している会社は複数あります。今回は私の勤める会社(10人前後の規模)で採用した、株式会社バルテックが提供するMOT/Tel(モッテル)というサービスについてご紹介します。

少規模会社でも導入壁が低いMOT/Tel(モッテル)

全社員テレワークを導入するにあたり、最初に会社の電話をどうするか?を解決すべく、電話代行サービスにするかとか、社員を交代で出勤させるのかなどを検討していたところ、クラウドPBXというサービスを知りました。

4社のクラウドPBX資料を請求

そのクラウドPBXの電話のサービスを提供している会社を調べたところ、下記の4サービスが候補として社内で上がり、資料請求しました。

■Arcstar Smart PBX

NTTコミュニケーションズのクラウドPBXです。資料を見ると複雑な設定もできるようでした。しかし、大企業向けの仕様と価格設定で、小企業には向いていないと感じました。

BIZTEL

BIZTELは訪問いただいてご提案くださいましたが、初期費用が高かったので見送ることにしました。比較的大規模な地方コールセンターの電話システムを構築するのにはよかった印象です。

uniConnect

uniConnectは、安いように見せて実は高いのか?どうなの?というように、資料だけではサービスがわかりにくという点で見送りました。

MOT/TEL

MOT/TEL(モッテル)は資料請求すると、電話がかかってきてわかりやすく説明してくれました。こちらの熱量が高いうちに契約まで至った印象です。お見積もりも割とすぐ出していただきました。移転の予定もしていたので、設置した後に移転する際の見積もりまで出していただきました。なにより、小規模会社でも導入しやすい価格設定になっていました。

MOT/TELが安くて導入しやすかった

クラウドPBXを提供している会社は複数あります。その中でもMOT/TELを選んだ理由はやはり初期費用の料金が少し安いと感じました。また、月額費用は固定で6,500円だったので割安感がありました。

見積もりを比較すると、

  • その他業者は初期費用40万円程度、月額費用1万円程度
  • MOT/TELは初期費用35万円程度、月額費用6,500円

MOT/TELの場合は、少しだけ安い感じですがあとは営業担当者の説明のわかりやすさ(疑問に対して、すぐに解決できる返事がくる)という点が高評価となり、契約に至りました。

通話料に関しては、同じMOT/TELサービスを使っている社員間同士なら通話料無料(個別でパケット通信の容量は消費します)です。固定電話やMOT/TELサービスを使っていない携帯電話への電話発信は別途月締めで通話料を支払うことになります。

MOT/TELのサービス外(固定電話やMOT/TELサービスを使っていない携帯電話へ)への通話料は、NTTと同じ料金と説明を受けています。

NTT
固定電話3分8円
携帯電話1分16円
uniconnect
固定電話90秒4.6円
携帯電話1分15円
おとくライン
固定電話3分7.9円
携帯電話1分15.5円

おとくラインとソフトバンク携帯間の通話料無料

※2018年9月時点の料金です。

繋がりやすさについては、個別のネットワーク環境によりますので、どこのクラウドPBXのサービスを使っても大差は無いように思います。ですから、クラウドPBXのサービスにおいて差別化されるのは、「初期費用」と「月額固定料金」なのではないかとMOT/TELを利用している現在でも私は思っています。

クラウドPBXは電話機など初期の購入費用が低くなる

MOT/TELを契約した際に感じたのが、ビジネスフォン(社用電話機)を購入する際の初期費用が非常に抑えられるというこです。ビジネスフォンの代わりに個人のスマホを利用するためです。

会社で電話を設置する場合、通常複数回線を利用することが多いです。営業用・反響用・FAX用・子会社用など、用途を分けて回線を使うためです。複数回線を1台の電話機で受信するとなると、一般家庭用の電話機では対応できません。法人向けの電話機であるビジネスフォンが必要となります。そのビジネスフォンは新品で買うと高いです。お値段は1台あたり2〜4万が相場です。電話対応する人数分を複数台用意するとなると購入費用も膨らみます。

しかし、MOT/TELを含めクラウドPBXを利用する場合は違います。ビジネスフォンと同じ機能を持たせた専用アプリをインストールするだけで、スマートフォンでビジネスフォンと同じように複数回線を利用することができます。アプリを利用した通話については、通話料を会社が負担にすることができますし、社員同士のアプリを利用した通話は、無料となります。社員個人のスマホを使ってビジネスフォンと同じように受発信可能になるので、会社としては、ビジネスフォンを購入する負担がなくなるというわけです。

社員個人のスマホを使うことに抵抗がある場合、中古でスマホを購入して社員に持たせることも可能です。その場合でも1万円ほどで購入できるはずですので、会社の負担は軽減されます。

MOT/TEL導入前の社員の不安

クラウドPBXのMOT/TEL導入が決まった時、大きく反発する人はいませんでしたが、同僚の中には不安や不満を漏らす人もいました。

Aさん「業務終了後やプライベートな時間もスマホに着信があると対応せざるを得ないのではないか?」

Bさん「アプリがまた増える」「スマホの電気代は自己負担?」

Cさん「Web経由での会話ということは、個人の契約しているスマホのデータ容量を使うの?」

Dさん「そもそも会社都合でスマホを使ってバッテリー寿命の消耗をしたくない」

会社として個人のスマホを使うという方針に加えて、個人のスマホに対する手当などは支給もしないことを、同意なく強制された社員としては複雑な思いです。

個人スマホの利用以外で懸念された問題は、クラウドPBXのMOT/TEL側の設定で解決できることがわかり、安堵していました。例えば「業務終了後やプライベートな時間の着信の不安」については、サービス側で時間外には着信しないようクラウドPBX側で設定できました。そもそもMOT/TELのアプリから電話が鳴らないようにする設定も、個人スマホのアプリ内で簡単にできます。私自身がクラウドPBXを個人スマホで利用している時に、産休育休に入った際は、お休みの期間中、個人スマホのアプリ設定で受信できないようにできました。復帰後は設定を解除して、通常通り会社の電話として使うことができています。

MOT/TELは短期で導入可能

クラウドPBXについて、はじめはよくわからない状況から検討しましたが、MOT/TELの営業力もあり、非常に素早くクラウドPBXを導入することができました。

MOT/TELを導入することが社内で決まり、サービスを提供している株式会社バルテック(当時はオフィス24)に連絡を入れました。そして1週間後にはクラウドPBX導入の工事し、無事に個人スマホを使って会社の電話番号で受発信することができるようになりました。細かい設定の調整は、MOT/TELサポートの方と行うことになります。

ただ工事当日は、予定時間を大幅に超えた作業時間になっていました。クラウドPBX導入工事は済んだものの業者さんによる設定がうまくいかない様子で、予定時間を上回ったため、別案件のために担当業者さんが出直してくるなど難航していました。その日のうちになんとか終了することができました。工事の日は、社員が立ち会わなければならないので、時間に余裕をもって立ち会うことをおすすめします。

MOT/TELの導入は、資料請求してから2週間後には工事が完了していたので、驚異的なスピードです。工事や設定には手間取ることもありましたが、その後、サービス自体も大きな問題もなく使えています。電話サポートの対応も丁寧に行っていただいているので、利用している今現在でも概ね満足です。

MOT/TELサポートが事前にクラウドPBX設定を進めてくれる

クラウドPBXのMOT/TELは、iPhoneまたはAndroidのスマートフォンにそれぞれ専用アプリ「MOT/Phone」をダウンロードして利用します。クラウドPBXとスマホアプリを合わせて利用することでm会社電話番号から受発信して通話ができるシステムです。

クラウドPBXの導入工事前にMOT/TELサポートによる事前設定を行うため、利用する予定の全社員の個人スマホの機種とバージョンをMOT/TELサポートにお知らせしなければなりませんでした。

2018年当時にMOT/TELサポートにお知らせした利用者一覧

内線番号
ローカル/グローバル
使用者名 USBホン スマホ 番号A 番号B 番号C
PC OS 機種名 03-aaaa-aaaa
(A事業部)
03-bbbb-bbbb
(B事業部)
03-cccc-cccc
(C事業部)
Android IOS 発信 着信 発信 着信 発信 着信
1 1000/1010 社長 iPhone SE
2 2000/2020 AAA iPhone
3 2001/2021 BBB iPhone SE
4 2002/2022 CCC Galaxy S8
5 2003/2023 EEE iPhone 7
6 3000/3030 FFF HTC U11 601HT
7 3001/3031 GGG iPhone 7 / iOS 12.1β
8 3002/3032 HHH iPhone 8
9 3003/3033 III iPhone 7
10 3004/3034 JJJ Xperia Z3 SOL26
11 ローカル1001 JJJPC WIN:10
12 ローカル1002 ビジネスフォン IP電話

その他、電話番号が3つを保有しているのですが、「この電話番号に着信があった場合は、このスマホだけに着信がある」などの設定が可能でした。会社の電話番号から発信する場合も、「このスマホはこの電話番号からしか発信できない」などの設定も可能です。

設定が完了したとのサポート側からのお知らせがあり、クラウドPBXの設置・設定が終わった段階で、本格的に運用することができるようになりました。

休暇日はアプリの着信をオフに設定できる

MOT/TELは手元のスマホアプリを設定することで、着信しないように設定することもできます。

MOT/TELを導入後、しばらくして私は産休育休に入ることになりました。その産休育休の期間でも、私は月に数時間働くという契約を会社としていました。しかし電話対応までは行わないことにしていたので、MOT/Phoneのアプリが鳴らないように設定しました。

MOT/TELのスマホアプリに着信しないよう設定する方法

鳴らないように設定する方法(iPhoneの操作方法)は、アプリトップ→設定→着信動作設定→着信を受け付けない(発信専用)に緑色にチェックです。その後、アプリを再起動する必要があります。

MOT/Phoneアプリの操作のコツが必要です。それはアプリ設定の確定方法です。アプリ内で設定を完了させた後に「アプリを再起動する」ことで設定が確定します。この方法は、MOT/TELの営業の方やサポートの方に、操作する際に必ず指導されます。「設定したらアプリを再起動してください。」

さて、MOT/Phoneアプリへの着信がこない(鳴らない)ようにしても、アプリへ着信履歴は残ります。着信履歴が入ると、アプリの右上に着信数が載ります。

着信を制限していても発信は可能です。社員同士の内線通話やチャットは無料で利用できます。自分がちょっと伝えたいことがある時は便利です。

スマホ機種変更時の注意点

私は育休中に、iPhone 7からiPhone12 proにスマホ機種の変更を行いました。同時に、キャリアもソフトバンクから楽天モバイルへ変更しましたが、キャリア変更は特にアプリにとって問題にならないようです。問題はiPhoneからiPhoneへの機種変更です。当初、スマホ内の全データの移行もスムーズで、MOT/Phoneアプリも問題なく利用できたようでした。

しかし、後日問題が2つ発生しました。

1つ目は新しい機種に慣れなくて、古い方の機種もその他アプリを使うために併用して使っていたのですが、古い方の機種の電源を入れているとMOT/Phoneアプリへ着信が入ることがあったことです。チャットに気づかず、スルーしていたこともあり、同僚から「メッセージ送ったけれど見ましたか?」と問い合わせがあった時に気づきました。その問題については、古い方の機種のMOT/Phoneアプリを削除することで問題解決しました。同期した2台のスマホの電源を入れていると、古い方のスマホに着信が入るようです。

2つ目は機種変更により、これまで問題なく利用できていたWiFi機能にトラブルがおきました。自宅のWiFi環境下で着信しなくなったのです。結論から申し上げると、ローカルアカウントをOFFにすると、解決することができました。

育休から復帰して、着信するように設定を戻した時にこのトラブルに気づきました。これまで産休育休でお休みの期間中、着信を鳴らさないようにしていたのですが、その設定を解除しても着信しても音(バイブ)が鳴らないのです。お休みの期間中と同じように、履歴が残るのみ。そうかと思えば、稀に着信が入って音(バイブ)が鳴ったりすることもありました。

これは、機種変更したことをサポートに伝えていないからかな?と思い、サポートへその現象や機種変更した旨を伝えました。サポートの方には、アプリの設定確認まで丁寧に教えていただきました。ただその際、設定確認では特に変更することがなかったので、これで大丈夫!と思ったのですが、やっぱり着信しても音(バイブ)が鳴ったり、鳴らなかったりの状態でした。

結局、同僚に手伝ってもらい、電話をかけてもらったりして、ようやくわかったことは「WiFiが競合している」ということ。結論、ローカルアカウントをOFFにすると、解決することができました。または、使用機種自体のWiFiをOFFにしてもOKでした。

「WiFiが競合している」といのも、もともとテレワーク導入した2018年ころ、週に1回は出勤するルールだったので、その際に社内にいる場合は社内WiFiを使う設定にしていたのです。自宅WiFiを利用する際は、アプリがまず社内WiFiを優先しようと機能が働いて、社内WiFiがなければ、自宅WiFiをに繋ぐという切り替えになっていたようです。以前の機種ならうまく切り替えて、自宅WiFiを使ってくれていたようですが、新しい機種は社内WiFiがない(探せない)時点でエラーになっていたようです。

同じように、その他同僚も着信が鳴らないと困っていた人がいたので、その設定(ローカルアカウントをOFFにする)と問題が解決したと言っていました。

ローカルアカウントをOFFにする方法(iPhone版)

アプリトップ→設定→接続設定→プライマリアカウント→ローカルアカウント(これを白へチェック)→アプリ再起動

個人のスマホ利用は、社員の同意や手当が必要か?

私の勤める会社の場合は、以前から社用携帯を各自に持たせていなかったこともあり、社員個人のスマホで受発信するという方針になりました。個人のスマホを使うことについて「会社として社員から同意を得た」というより「暗黙の了解」で利用することが決定しました。私の勤める会社では当時、大きく反発する人はいませんでした。社長が「テレワークにすることで通勤時間がなくなるなど個人のメリットが大きい」としたためです。しかし、個人のスマホは個人の資産です。個人のスマホを会社利用のビジネスフォンとして使うか使わないかは、デリケートな問題です。会社によっては慎重に進めければならない問題と思います。

私の主人の会社の場合、クラウドPBXを導入していませんので、テレワークをする際は、以前から主に内線電話用として持たされていた社用携帯を利用しています。テレワークをした日はテレワーク手当として会社から1日に500円支給されます。その500円は、自宅での光熱費やインターネット通信の利用代を総合しているそうです。これは個人資産を利用させてもらっているという意識から手当を出しているようです。このようにテレワーク手当を支払うことで、個人資産であるスマホを利用すること対して社員から同意を得られやすくなるかもしれません。

全社テレワークの電話問題解決にはクラウドPBX導入がおすすめ

これからの時代、新しい働き方としてテレワークを取り入れる企業は増えていくでしょう。自然災害などのリスクを考えても、テレワーク対応の電話環境を用意しておくことは重要です。

クラウドPBXは、別段新しいサービスというわけではなく、すでに複数の企業から提供されています。インターネット環境とスマホがあれば、すぐに導入できるものです。

ビジネスの持続可能性考えると、会社に社員が出社せずに稼働させることができることは、企業にとっても多いにメリットがあります。テレワークを導入するにあたり電話問題に直面している企業は、クラウドPBX導入の検討することをおすすめします。

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この記事を書いた人

東京港区で3人の子育てをするママ。長男を3歳からくもんに通わせ、当時は教育ママ。3人目からはゆるーいママとして子供たちを育てています。12歳(長男)、6歳(次男)、4歳(長女)の子たちと一緒にママも成長中!

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